第1章 別れの風は唐突に吹いた
「嫌いな相手となんて居たくない。(のんには婚約者が居るって知ったからにはのんとは付き合えない。婚約者が可哀想だ。俺が悪者になればのんも諦めるはず・・・。)」
「ねぇ。お願いだから嘘だって言ってよ。」
「残念だけど、俺が言ったことはホントのことっすよ。」
「いつから俺のことを嫌いになったの?」
「1か月前くらいっすかね。」
「何で、嫌いになってすぐに別れたいって言ってくれなかったの?」
「言わなければ、のんに気付かれずに、もう一度好きな気持ちが戻るんじゃないかって思ったけどダメだった。だから、今日、別れを告げようって思って呼び出したんっすよ。」