第3章 歪み始めた心
「何で俺の気持ちを分かってくれないの?俺は涼太のこと好きで好きで仕方ないのに・・・。」
「婚約者である優姫ちゃんと付き合うべきなんっすよ。」
「俺と別れてから女の子を取っ替え引っ替えしてる涼太がそれを言うの?」
「・・・(のんの言うことが正論過ぎて言い返せない。)」
「俺は涼太のことが好きで愛してるのに俺の気持ちを分かってくれない涼太なんて居なくなれば良い。」
俺はそう言って涼太のことを押し倒して馬乗りになり涼太の首を絞めた。
「のん・・・こんなことしても・・・。」
「涼太がいけないんだ・・・。他の女の子のところへ行くから・・・。」
そんな時に限って兄ちゃんがノックもせずに俺の部屋の中に入ってきた。
「架音、止めろ!」
「兄ちゃん来ないで。涼太を殺して俺も死ぬ。」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。」
そう言うと兄ちゃんは涼太から俺を引き剥がした。
「ゴホッゴホッ・・・。」
「黄瀬、お前はもう帰れ。」
「分かったっす。(こくんと頷き)」
「待って。涼太、俺を一人にしないで・・・。」
俺が涼太に近付こうとすると兄ちゃんに腕を掴まれて引き寄せられて動けなくなった。
その隙に涼太は俺の部屋から出ていった。