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月の花に咲く桜

第4章 奇術師にはご注意を!!


随分と探し回った。

どこにもヒソカはいない…置いてかれた?

もしかしら、私が迷子?

イヤイヤ、ヒソカが迷子!!

どんどん不安になってきて、胸ぐらをギューッと掴み小さな子供みたいに泣きだしそうになる。

「ヒソカ…どこ?バカヒソカ!意地悪しないで…出て来て
よ…」

絞り出す声で呟くと…。

「ルナどうしたの?泣いてるの?」

男はニヤニヤしながら、顔を覗きこんだ。

顔を上げると、意地悪く笑ったヒソカがそこにいた。

「子供じゃないんじゃなかったのかな?何で泣いているの?」

「泣いてません!」

泣きだしそうな顔になったり、真っ赤になって怒ったり、分けわからない感じ。

ヒソカは、クルクル変わる表情を見てクスクス笑っている。

絶対確信犯だ!!わざと、逸れて〖絶〗で私の行動を見てたんだ。

「さっ!さっきも言ったけど、私で遊ばないで!!」

「クッククク、ホント心外だな~!僕は、ルナに対してそんなことはしてないよ☆ただ…」

「ただ何よ!!」

「やっぱりルナは、世界で一番可愛いなぁーと思ったら、ちょっといじめたくなっただけ☆」

「だ~か~ら、それを遊んでるって言ってるの!」

『もう知らない』と言って、背を向けてヒソカを置いて歩き出す。

ヒソカは、離れていく私を捕まえて、「ごめんね」と言って優しく手を握ってきた。

「もう、だまされなっ」

ヒソカに頭をグイッと掴まれて、キスをされる。

「ホントにごめんね。もうしないから許して☆ルナ大好きだよ」

ヒソカとのキスは、ほんのり甘い大人の味。 

意地悪なヒソカじゃなくて、私の好きな優しいヒソカの顔がそこにはあった。

もう!!こんな時ばっかりずるい男。 

ヒソカの腕をぎゅーっと掴んで、今度は離れないように歩き始めた。
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