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月の花に咲く桜

第4章 奇術師にはご注意を!!


薄暗がりの細い路地に、4人の男達はいた。

「ねぇ、君たち何を探しているの?」

「なっ、いつの間に!!」

「君達と遊んでいる時間なんてないだけど、特別に相手してあげるよ♡」

トランプを2枚翳して、勢いよく男の頭にブスリと突き刺さり、悲鳴が聞こえる前に、口にもトランプを追加で刺さっていく。

「今日は、あまり男の悲鳴は聞きたくないんだ。

僕は、彼女の可愛い鳴く声が聞きたいんだよ。だから、目障りだから消えてくれないかい」

隠し持っていたトランプが、無数に宙を舞う。

残りの輩を何もなかったように体中が細切れになり、その場には、赤い血だまりと肉片が散らばっていく。

ニヤリと人を殺す快楽を堪能したところで、この場から去ろうとすると、黒い猫が姿を現した。

それも、強い念で作られた猫だ。

「ニャー」と可愛いらしく鳴くも、その念には思い当たる節がある。

「辞めてもらえないかい?その胡散臭い鳴き声は、僕は嫌いだ」

威嚇するようにヒソカのオーラが、黒く膨れ上がる。

黒猫が、ブルっと逆立つ毛に足を舐めして、その余裕の仕草が憎い。

黒猫の瞳が瞬きすると同時に解放され、フードを被った黒ずくめの人として現れる。

「久しぶりだね、ヒソカ」

「そうだね、それより貴方は、ここで何をしているのかい?

それに彼女には、必要以上に近づかないじゃなかった」

「そう邪険にしないでおくれ。ただの暇つぶしと好奇心だ。君も同じだろう?

本当は、あの子を殺したくてウズウズしている」

フード越しで表情は見えにくいが、ヒソカを挑発するには効果覿面だ。

「へぇ~貴方は、僕の事をわかっていると?

けど僕は、彼女は殺さない、僕の一番の宝物だから。

でも貴方の言う通り、彼女を殺す時がきたら、ずっと一生僕の傍にいられるね」

「冗談だ!お前は、彼女には残酷なほど優しいからな。

その時が無い事を祈るよ。

それより、早く彼女の傍に行かなくてもよいのか?今頃泣いているよ…」

放たれ暗闇に多い被るように、黒死蝶が舞う。

「あの子を頼んだよ…今夜また…」

途切れら言葉を聞き返すこともなく、暗闇に消えていった。

「今夜?…何が起きるのかな?ワクワクするね…けどルナを傷つけるなら、僕は貴方を殺すよ。それも、楽しみだ…」

あざ笑うかのように、ヒソカも愛しい人の元に戻っていった。
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