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月の花に咲く桜

第3章 暗殺者の訪問


ルナは、見られているなんてしょっちゅうなのか、隣の男性の視線なんかおかまいなし。

無自覚・無防備なんて当たり前…だから、付け込まれる。

盗賊男と暗殺男に気にいられ、奇術師にも例外ではない。

誰かに監視されている、『鬱陶しい、殺したいな…』と心の中で呟いているとルナは、怪訝そうに見つめていた。

「ねぇヒソカ、なんで私の携帯からイルミに連絡したの?」

「あぁイルミが、ルナのこと気に入っているからね、ちょっと試してみた。

こんなメールで釣れるなんて思ってもみなかったから、おもしろかったよ。

後は、クロロと鉢合わせしたらイルミが、どう行動にでるのか、どんな表情になるのか見てみたかっただけ♡」

「性格が悪い⁉︎いい迷惑よ」と毒づくルナは、頬を膨らませた小動物のように可愛い。

彼女が、百面相している傍らクスクス笑い、デザートを口の中にほおり込んでいく。

まったく悪びれることもない僕に、溜息をついていた。

「ねぇ、ヒソカ…私で遊んでない?」

納得がいかないのと悔しそうな表情で、氷の入ったグラスをクルクルと回し始める。

時折ムスっとした顔になっている彼女が、可愛いなぁと思いつつニッコリと微笑んだ。

「なぜ、そう思うんだい?ルナで、遊んだことなんて一度もないよ☆」

「遊んでるじゃない〜さっきからニヤニヤして、私の反応を見て楽しんでる‼︎」

「ひどいな~☆そんな風に見える?」

「見える!見えるわよ。さぞかし楽しいでしょうね‼︎慌てる私をみて、楽しんでいるでしょう」

「表情がくるくる変わって、可愛いと思うけど…」

少し黙り込んでルナの様子を見る。

ドキっとした大人な顔つきをして、僕との距離が近づく。

「思うけど、何?…」

恐る恐る聞くルナに、何も言わずに手を握り彼女に口付けをする。

「ダメだよ…ルナ、クロロやイルミに気を許しちゃだめじゃないか」

「えっ、気を許すとか許さないとかって何?」

「ルナとクロロがキスをしていた時、殺意が芽生えちゃったよ☆ 

今二人とも、殺しちゃってもいいよねって…」

ほら、無防備に誰にでも気を許しすぎ、僕には良くても他はダメだ。

許してもいいのは、僕だけにして欲しいのにその顔は、反則だね。

今にも壊したくなるよ。
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