第3章 暗殺者の訪問
「ごめん…なさい、イルミ怒らないで…殺気漏れて怖い…」
「イルミ!殺気を沈めろ!ルナが、震えている」
クロロの胸に凭れながら震えていると、甘やかす様に頭を撫でてくれる。
背後にいるイルミが、大きな溜息をつき噛んだ左耳を舐め始める。
「もう怒ってないよ。噛んだ耳あってよかったね」
「えぇ??ないの?耳あるよ。だって、イルミの声聞こえるっ」
イルミの方に顔だけ振り向くと、優しいキスが降り注ぐ。
「やっとこっち向いた」
淡々した口調なのに綺麗な顔が、眼の前に現れる。
「イルミ、ごめんね。本当に知らなかったの、デートとかって言っているけど、心配になって来てくれたの?」
図星なのか目線が、逸れていく。
「珍しい反応だな、お前でもそんか顔するんだな。暗殺者やっている時は、綺麗な機械人形みたいだと思ってたけど、ルナのことになると違うんだな」
目を見開いたイルミは、持っていた鋲を投げようとする。
「そう怒るなよ、お前のイライラは晴れても邪魔された俺のイライラは、解消されない。
それに、今からルナと出かける。
気になることもあるし、確認したい事もある。
お前と出かける暇もない、それとも心配になってココに来たなら何らかの情報が持っているのか?」
「クロロに言う必要性ってある?」
「そうだな、可愛いルナの願いも聞き入れて、旅団との共闘もしくは、俺個人と組むことを伝えたところだ」
「で答えは?」
イルミは、何となくだけど旅団として組むのは難色を示すはず、けど一個人としてクロロと組むのは有りなのかもしれない。
一方でクロロは、イルミが予想以上に早く合流しているせいでイライラが募っている。
感情押し込んで、イルミの時々発する黒いオーラを庇うように、体を重ねてくる。
さっきの話で、気になる事と確認したい事って何だろう?
色々グルグル巡っていると、イルミから急かされる。
「あのね、勝手に決めてごめんね。色々話をしててクロロとの組んだほうが安全と言うか、短時間で保護できると踏んだの。
ヒソカも後で合流した時にでもって、思ってたんだけど…」
本当言うと、イルミにバレるのが早すぎるよ〜クロロのバカ!
不機嫌にしているとクロロは、クスクス笑いながら私の頬を撫でて、『大丈夫だ』と言うように微笑んでいた。