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月の花に咲く桜

第3章 暗殺者の訪問


もうーなんなのよ!朝っぱらから黒~いオーラばっかり!だんだんアッタマきた!!

「二人ともやめなさい!!」

二人よりも間鎌しいオーラーを放ち、威嚇する。

「冗談だよ、ルナ。遅いから迎えにきただけだから」

オーラを引っ込め両手を上げながら、何もなかったように淡々と答えるイルミに、大きな溜息をつきつつ傍へ駆け寄る。

「本当にやめてよね!」

『ごめん、もうしないからね』と可愛く首を掲げるイルミ。

何が、『もうしないからね』なのか、それより迎えにきてなんて誰がいれたのか?

そのやり取りを見ていたクロロが、警戒を解かずイルミを見ている。

どっちも今だ、不穏な空気のままだ。

「イルミ聞いて!私はメールなんて入れてない。

それに、現地入りは明後日って言ったわよ。

なんでこんなに早く来てるの?

この間、仕事が立て続けで入っているから遅れるって、ヒソカにその間護衛頼むっ…」

ん?ヒソカに護衛を頼む?

アレ?…出発する日に会ったような…。

「携帯のメールが、誰が打ったかわかったのか?」

「あぁ~いや~それは…」

クロロが、試す様にじわじわ間合いを詰めて来る。

「隠す必要なんてないでしょう?そいつ誰?」

今度は、イルミも近寄ってくる始末。

「あはは」と目線を逸らすも、イルミに顎食いをされて真っ赤になる。

「はぁー出発前、ヒソカと会ったと思う…その時にお酒…入ってて…」

段々と小声で言っていると、今度はクロロが逃げられないように腰を掴んでくる。

引き寄せられた反動でイルミの手が、顎から外されると背後に回ってお腹に手を回してくる。

イケメン二人と挟まれるように、拘束されてしまった。

「えっーと、あの…その…」

とにかく言い訳!違う言い訳じゃなくて、状況の説明しないと。

「ルナ…さっき俺にわざと携帯置いていったっていったよね?

それもどうかと思ったけど、スルーしてあげたんだよ。

クロロと二人きりでいる事自体ダメだからさーそっちの方が頭にきてたのに。

これでも、かなりルナの気持ちを組んで上げてるのにひどいな」

背後から左耳に囁くように言うとその後、ガブリと噛んでくる。

「いやっ、あっあぁ痛い!」

囁く甘い声と痛みが広がって、涙目になってしまう。

イルミが、怒っているのは背中越しでも分かるくらいだ。
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