第3章 暗殺者の訪問
二人の声?まさか?まさか…このどす黒いオーラの持主は…。
バタンと勢いよく開けると、今にも爆発しそうなイルミの姿と、それに相対するように、間鎌しいほどの黒いオーラを向けているクロロ。
心の中は、激しく今!この場をフェイドアウトしたい気分。
「イルミ、今はルナとデート中だ。邪魔しに来たんなら帰れ!」
クロロが、少しイラついて言葉使いが、単調になっている。
「珍しいね、イラついてるの? さっきのは、冗談だって!
俺も今日は、ルナとデートに行く約束してたから、迎えに来てあげただけ」
「ふ~ん、デートねー。ルナそうなの?」
イルミのばか、怒らせただけじゃない!!
クロロが、怒ると後で色々大変なのに…?
…ん??ちょっちょっと待って????、私…イルミと約束なんてしたかな?
「あのね、イルミ先に謝っておくけど、約束とかしてたかな?」
う~んと首を傾げ、携帯をいじりながら何かを探し始めるイルミ。
「昨日、メールしたよ。
デートしようって送ったし、ルナからだって、ここに泊まるからって返事くれただろう?
わざわざホテルの場所まで教えるってことは、迎えに来て欲しいからだと思ったんだけど。
まさか、男といるとは思わなかったけどね。
まぁ…クロロじゃなかったら本気で殺してたけど」
イルミの黒目が、暗殺者の目に変わり本気なのか戯れなのかわからないほど歪んでいる。
「メール?私してないと思うけど?
だって…私、携帯わざと忘れていったから」
はぁ?と言いつつ困惑しているようなイルミだが、顔の表情は、淡々としてまったく表情は変わらない。
「じゃ、誰が?」
「わからない…私の携帯どこに置いてあるか知っている人って、あんまりいないと思うけど!」
「うーん、誰なんだろうね。でも、誰だっていいか!行こう」
そう言って、イルミが強引に手を引こうとした時、先程まで後方にいたクロロが、割って入った。
「イルミ、ルナの手を放せ!」
「なんで?さっきも言ったけど、俺とデートの約束があるって言ったじゃない。
クロロこそ、そこどいて欲しいな…」
二人のオーラが重なり合い、空気がピリピリし始める。
マズイ…マズイッークロロもイルミも怒ってる!!
朝からこんな事になるなんて、胃が痛くてならない。