第3章 暗殺者の訪問
なんで?どうして?
いつもルナの傍には、アイツらがウロウロしているんだろう。
必要なのは、いつだって俺だけなのに。
幼い頃に出会ってから、いつも一緒にいた。
暗殺稼業の一族でも、偏見すら持たない。
いつだって、俺個人として見てくれるルナ。
苦しくて辛い修行もルナが、傍に居てくれたから平気になった。
暗殺業の仕事には、感情は必要が無い。
『心を持つな』と父さんに言われて従った。
故に、感情の起伏も乏しくなり今に至る。
感情が取り乱せば、お仕置きとして牢獄行きは決まりだったせいもあるのか。
長男として弱いところは、見せられない。
そんな時程、傍に居てくれたのはルナだ。
だからかな…ずっと俺の隣にいるのは、ルナだけでいいと思えた。
俺だけの決まり事を作った。
家族には、まだ言えない…。
それは、いつだってルナを守るために、強い自分である事。
ルナだけをずっと愛する事…。