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月の花に咲く桜

第2章 彼と彼女の情報


「俺達と組め」と優しくも強く伝えてくるが、どうしようか迷う。

イルミのこともあるから、迂闊に返事など出来ない。

イルミは、きっと怒るだろうな。

「イルミの事、気にしているのか?」

「……」

「契約で縛られて事もあるだろうが、俺達と休戦協定を結ぶのはどうだ?

俺達につかないのなら、これが妥協点だ。

現に蜘蛛は、動きだしている。

今更止めることは不可能だ。

互いに動かなければいけないのも事実。

選ぶことができないなら尚更コレが、ルナにとって悪い条件じゃないはすだ。

ルナの目的は、あの宝石の保護が目的だろう?」

そうだけど・・・・協定?ダメダメ!イルミにそれこそ怒られる。

シルバーもその後ろで青筋を立てそうで、いくらなんでもクロロ個人ならまだしも、旅団となんて…。

おじいちゃんの事もあるし、バレたらそれこそ会長職まで失いかねない。

頭がグルグルまわる。

「はぁー休戦協定をするなら、ルナの気にしている人達に会いに行ってもいいんだよ」

「えっ!そんな事したら、おじいちゃんとシルバーに殺されるよ。

絶対ダメ!ダメダメ」

「クスクス、アハハハッ。

まぁ、嫁入り前のお嬢さんに挨拶する婿養子だな。

ルナのおじいさんはともかく、シルバーが、お前の父親気取りだとは知らなかった」

クスクスと無邪気に笑う彼をみて、何だかイラッとする。

「そうだよー小さい頃からゾルリック家にいれば、シルバーが父親替わりなのは、致し方ないの」

「まぁ、いずれはルナのおじいさんには、会いたいと思っているのは本当だ」

「やっ、無理だよ。おじいちゃん年取っているけど強いから」

やっぱり、ダメ!シルバーもダメだけど、おじいちゃんと会うなんて論外。

ハンター協会のトップと旅団の団長となんて、一瞬で地獄絵になる。

「ルナのおじいさんは、ハンター協会のトップなのは知っている。

可愛い孫娘を溺愛している事も」

「だったら!」

「だからだよ。会いたいんだ・・・。

旅団としてではなく、一人の男としてね」

ニッコリ笑うクロロの笑顔は、とってもいたずらっ子などこにでもいる青年で、幻影旅団の団長なんて微塵に思わない。

「もう、バカ!バカ!」

ポカポカと彼の胸板を殴っても彼は、笑っていた。
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