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月の花に咲く桜

第2章 彼と彼女の情報


「ふ〜んルナは、俺達の事心配してくれるの?

ルナは、どっちにつくの?

イルミ?俺?」

今にも泣きそうだな。

「そうじゃない!何で分からないの?」

「ルナは、宝石を守る為に俺達と殺し合いをするのか?

イルミ側に付くのは、そういう事だ!

けど…ルナが、俺達側に付けばいい何だったら俺達を利用しろ。

自分の利益になるかもしれないだろう」

利用、裏切りなんて俺達が散々やってきた事だ。

だが、ルナは違う。

ルナの心は、とても清らかな川の流れのように、透き通った水は零れ落ちていく程繊細だ。

利用や騙すことが出来ない、疑うことも躊躇してしまうぐらいだろう。

そんなルナだから、いつもハラハラしてしまうのも否めない。

特にイルミ辺りが、敏感に反応しルナの傍を離れることを嫌っていた。

「誰かを裏切ったり、利用したりしてまで得ようとすれば、きっと何かを失ってしまう気がする。

クロロは、何を望んでいるの?」

『何を望むか?』…そうだな、ルナなら何を望んでくれるだろうか。

旅団の団長としての俺?それとも今、お前の目の前にいる俺に対してなのか?

「俺の望みは…ルナ、お前ただ一人だよ」

泣きそうなルナを抱き締めて、そう伝えていても彼女からの返事がない。

再三、この手の話はしていても、はぐらかされてきた。

気が向けば、そこらへんの女を買ってセックスをする。

快楽と言う名の処理道具の女達と、ルナは違うから。

今、改めて思う。

大切な…俺の望むもの…。

キミノ タイセツナモノヲサシダセバ…アタエラレル!!

ルナ!!

俺の大切な物を差し出せば与えられる!俺の大切な人…ルナだ。

敵は、俺を誘っているだろうな。

好都合だ、まだ見ぬ敵の誘いに乗ってやる。

「もう一度言う。

俺は、ルナが欲しい。

どの宝石よりもルナ欲しいんだ」

抱き締める力と強めれば、その腕がゆっくりと背中にしがみ付いてくる。

「あの宝石が、どうしても欲しいなら俺達と組め」

ビクッとなるルナの背中をあやす様に、優しく擦った。
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