第2章 彼と彼女の情報
「ルナの言いたい事当てようか?
俺たち旅団は、なぜここに集結しているのか?
その目的は、ルナもある人物に招待されている事と一緒だから」
自分が言いたい事をスラスラと、確信に迫る様に伝えてくる。
不意に、髪に触れながら口付けされ眼を合わせさせられると、射抜かれたように心の中がドキッとする。
「ルナの目的は、宝石…それも特殊な技巧を施してある。
この世界に一つしかないもの、ストーンハンターのルナなら欲しくもなる。
それを狙う幻影旅団を阻止すべき先手と可愛い威嚇をするために、昨夜俺をわざわざ呼びつけた」
半分は、あっている。
でも、でも…呼びつけたなんて酷い言われようだ。
「呼びつけたなんて酷い、だって旅団が動くって聞いてたし団長であるクロロと話しっ」
話を途切れさせ綺麗な長い人差し指が、唇に触れる。
「頭の俺を呼び出して、交渉でもするつもりだったのか?
仮に話しを聞いたとしても動き出した蜘蛛は、止まらない。
頭を切られようが、脚が動けばよい。
優先すべき事は俺ではなく、目的のために動けばいい。
それは、団員にも伝えてある」
ゾクッとする冷たい眼。
やはり貴方は、私が知っているクロロではない。
野望や欲に紛れた人。
でも…。
「なんてなぁ〜実際まだ本物見ていないし、情報でしか知らない。
あの美術館の館長以外、知られていないって聞いてるよ。
未知のものに興味を引くのは、人として道理じゃないのかな。
俺もそうだけど、全ての人間は欲まみれだよ」
「欲?私もそうなのかな?
アレを見つけてから眼が離せないの、まるで呼ばれているようで…」
この話をもらった時、すぐに美術館の館長に会いに行ったわ。
一般公開が、1カ月後だと言うのにあの人は、押し目も振らずアレを見せてくれた。
目に映ったのは、それもかなり貴重なピンクダイヤモンドに着飾られたオブジェ。
方角によっては黄色く見えたり、青や緑、赤…まるで虹であるような色合い。
そして、そのネックレスによる黒い噂もついて回る程の曰く付きな宝石。
よくありがちなホラーじゃないかってイルミが言っていたけど、本物は違う。
それをなんと表現したらいいのかわからないけど。
ストーンハンターとしての勘が働いたとしか言いようがない。