第2章 彼と彼女の情報
「クロロ・・・」
「俺が、怖い?」
クロロは、優しく問いかけながらもずっと頭を撫で続けてくれる。
さっきの決意も裏腹に目頭に涙溢れる。
「泣かせてしまったかな?…ごめん」
少し困った顔した彼を見たらだんだん可愛く思えてくる。
そっーと彼の頬に手を伸ばし触れるだけのキスをして、クロロの額にちょこんと額を合わせた。
「クロロって本当は、苛めっ子なの?」
笑いを我慢しきれずクスクスと笑っていると、彼は固まっていた。
「仕返し!!」
鎖骨あたりにさっきの優しい口調とは一転して、意地悪く吸い上げてくる。
「キャッ!!!ヤダっ…いたっ…ンンっ…」
ダメだと言わんばかりに、強く押し付けてくる。
強く押し当てた跡が、白い肌に煌々と花びらを散らすかのように熱くなる。
「もう…クロロのバカ…」
少し涙目になって怒っていると、優しく髪を掬いてまた困った顔をする。
「ごめん、歯止めが効かないんだ。
だいたい今のは、ルナが悪い。
そんなウルウルした眼で見られたら、誰だって食いたくなるし触りたい。
かわいい顔も俺以外の男に見せるな。
自覚しろよ、ルナ誰よりも綺麗なんだから」
旅団としてのクロロではなく、無邪気な青年の笑顔で微笑んだ。
それでも聞かないといけないのは変わらない。
彼ら旅団の目的は、恐らく一緒。
重い口を開けるため、少しばかりの勇気を彼の腕にしがみ付きながら、口を開く。
「あのね…、クロロ」
「うん?ルナ何?」
「あのね…リョ…」
「うん?」
「あの…クロロなんでここに…」
その後が、言えない。
何でかわからないけど、言えない。
心は、聞こうとしているのに頭は言うことを聞いてくれない。
「ルナさぁ、もしかして俺の事…違うな!
俺達のことを探ってるの?」
えっ!!読まれている。
そうじゃなかったらエスパーなの?
違うよね、クロロならわかっちゃうよね。
今私が言いたい事、これからやろうとしている事も、彼らの頭である以上弊害になれば殺すことも容易い。
今なら無防備だもの。
でも、さっき話した通りなら彼は、私を殺さないでいてくれるのかもしれない。
彼らの目的を止められない事も知っているが、それでも彼らを止めるしかない。