第2章 彼と彼女の情報
「そうだな…俺は蜘蛛だ。
どんなに取り繕ってもルナには、俺が蜘蛛の団長でしかないのかもな…」
冷静に言葉を発している自分が、他人事のように聞こえてくる。
ルナには、どう聞こえているのだろうか?
それでも、ルナに触れたくて…欲しくて堪らない。
「それでもルナが欲しい。
蜘蛛としての俺を受け入れて欲しいとは言わない。
ただ…俺の傍にいてよ…」
微笑みながら、ただ一人の男として見て欲しかった。
緩む体を預けてくれる体温が、心地よい。
少しでも一人男として見てくれているのだろうか?
「クロロ・・・」
「うん?ルナ何?」
強く抱き締めて、どこにも羽ばたかないようにすればどんなにいいのだろう。
そんな事をしたら一生愛してはくれないだろうなぁ。
そう思いながら、優しくしたい気持ちと束縛したい気持ちで揺れている。
頭を撫でながら甘い声囁けば、大抵の女は体を自ら開いてくれるが、ルナはそうではない。
さっき風呂に中でしたことも震えながらも、少し俺を受け入れてくれて嬉しいのと新鮮だと感じた。
そんな事団員に言えば、らしくないと嗤われるか罵倒されるかどちらかだろう。
「クロロ・・・、私は…その・・・」
「まだ、返事はいい 」
優しく人差し指当てれば、うるっとした瞳で見つめてくれる。
怖がらせないように少し触れるキスをし体の力が抜けているのがわかると、その後深いキスが始まる。
「ゥンン…クロ…ロ。イ…ヤァ…いっぱいしちゃ…だめ」
酸素さえも煩わしいと感じる。
満たされない気持ちと反応するように激しく交わる吐息。
あんまりすると泣かしてしまうから、頭を胸に寄せてよしよしとすると安心した顔になる。
そして、見上げた瞳は決意をした眼で俺をみてくる。
それは、美しいハンターとして彼女の姿。
やはり囚われてはくれないのだろうな。
彼女からの言葉待つべく、一瞬の静寂を待った。