第2章 彼と彼女の情報
朝日の光に眼が覚めたのか、ルナが動き出す。
先程の風呂の行為を思い出しくれるだろうか?それとも熱に浮かされて忘れてしまうか?どちらにしても彼女の反応が、気になる。
このまま寝たフリした方がよいな。
けど逃がすつもりはない…飢えた蜘蛛は、美しい蝶を捉えて離さない。
華奢な体で、小さな抵抗をしているようだか、可愛い抵抗としか受け取れない。
諦めたのか?抵抗がしなくなると次第に、コクリコクリと舟を漕ぎ出す始末。
その可愛い仕草に、ルナが見えてない事良いことに、口角が上がりついつい腕に力が入ってしまう。
寝返りを打つ度に、離れたくなくて引き寄せた。
「ホントウニ、ネテイルノ?」
なぜ片言?我慢をしていだが、クツクツと肩を震わせてしまった。
「えッ?何起きてるの?もうークロロひどい」
勢い良く起き上がるルナを見ると、シーツからは抱けた肢体に釘付けになる。
綺麗すぎて一瞬にして奪われる。
「朝から元気だな。体調は?」
「体調?」
惚けているのか?分かっていないのか?『そう、体調』と彼女のお腹の下あたりを指差すと、朝から大絶叫。
体を隠す様に丸まりながら屈むルナに、クスクスと笑いながら様子を伺う。
先程のお風呂でした行為も言葉も、やっと思い出したのか徐々に紅くなっていく顔。
「ルナ、体の体調は?痛い所無いか?」
シーツの中に体事滑り込ませ、頭を撫でながら優しく聞いてみる。
「ダッ、ダイジョウデス。ホントウニ、ダジョウブダカラ」
また、片言⁈そう言うところが可愛いと思うのに、なかなか顔を上げてはくれない。
「何でカタコト?それより顔あげてよ。ルナの顔みたいんだけど?」
「いや無理です。それよりも出来たらこの腕外してもらえると助かります」
逃げるようにシーツの中を動く姿は、蜘蛛の巣にかかった美しい蝶。
「無理だよ、俺は蜘蛛だから。
簡単に捕まえた蝶を見す見す逃がすことなんてしないさ」
手を絡ませる様に体を引き寄せルナの耳元で囁く。
「ルナ、蜘蛛の糸の事知っているか?
蜘蛛の糸って、簡単に切る事は出来ないんだ。
だから、俺が飽きて手放すか…それとも…殺すか、まぁ、後者は無いけどな」
ビクンと震えるルナをもう一度抱きしめた。