第1章 夢は夢のまま
クロロの足の間にすっぽり挟まるような形で湯に浸かっている状態。
ぽちゃんと雫が滴る音に耳を傾けると、この空間はクロロと二人きりなんだと思い知らされる。
「ルナ俺はさぁ、今まであった女なんて数え切れない程の夜を共にしたのは事実だ。
それを否定する事はしない。
ただ…一度も自分から愛すことなんてなかった。
お前に会う前までは、愛なんて知らなかったよ」
後ろから抱きしめらて少しだけクロロが震えているようにも見えた。
だから、お頭をいい子いい子してあげる。
「うん…クロロ…私は、クロロの事好きだと思う…でも、私の身近にいる男の人ってイルミやヒソカしかいなくて…。
好きだけどそれが愛なのかわからない…。
でもね、イルミやヒソカやクロロと出会えてよかったって思う。
きっと、私にとってこの出会いが全てなんだと思う…」
「そっか、出会いが全てかーそうかもしれないな…。
俺は、ルナの事絶対に手放せないよ…だから今のうちに覚悟しておいてね」
覚悟…ねぇーその笑顔で言われたらクラっとする。
優しい笑顔、彼の惹かれた部分の一つ。
クロロに持たれるように密着すると、大きな腕がギュッと抱きしめてくれる。
イルミとは違った安心感。
その束の間、彼が耳タブをぺろっと舐めてきた。
エッ⁈と思いながらも抱きしめられた腕は、胸の辺りを弄ってくる。
「やぁッ、クロロダメ」
「本当にダメ?」
胸の先端を摘み弾かれるとキスよりも何かが込み上げる。
「んんんっ、やぁっ…ぁあああっ…」
「こんなに感じてるのに?ほら硬くなってきた。ルナ可愛い」
耳元で優しく囁かれ、心臓はバクバクと苦しい。
首筋にキスを落とすと背中まで這ってくる舌。
「やぁ…あああっ…クロロ…ダメ…イルミみたいな事…しないで」
ガクガクと震える体に容赦なく吸い付くようなキスが降り注ぐ、その度に胸も弄られて何も考えられない。
「いたっ…やぁ…ああああっ」
「ルナ、イルミの名前出さないで…今だけでいい、俺だけを見ろ」
反対に体を対面に座らされ、クロロが見つめてくる。
「やぁ…あんまり見ないで…さっきから意地悪だよ…」
目線を外してもこちらを向かせられ、唇が塞がれる。
塞がれた唇から自分の予想以上に甘い声が響いていた。