第1章 夢は夢のまま
やっぱり恥ずかしい。
赤面したまま逃げ込んだ先は、お風呂場。
さすが高級ホテル!お風呂場広いー。
でも、ゾルリック家の方が数倍あるけどね。
このお風呂場の感動に触れつつ、さっきのことは頭の中から削除中。
浴槽に湯が溜まるのを確認し、ネグリジェだけになる。
気分は家モード全開。
風呂場を念入りに物色した甲斐もあり、あるものを発見。
このホテルの限定の入浴剤!
暗くするとお湯が光る最近流行りの乳溶剤だ!とテレビにも雑誌にも載っていたような…。
匂いも色も豊富で、アースチックなネーミングとそれに合わせた色合い。
そういえば、この間イルミの家で、スカイブルー海の色をモチーフにした入浴剤を試したはず?!
その時…イルミも仕事から久しぶりに帰ってきたこともあり、のんびりと一緒にお風呂・・・いや―アレは旅館をイメージした混浴。
一緒に入ったイルミは、穏やかな顔つき。
私は、上機嫌に鼻歌なんて歌ったたりして。
いつもの様に暗くした室内に天井を開閉させれば、露天風呂の出来上がり。
夜空の星たちがより一層輝き流れ星は、青色に発色した海に落っこちてしまいそうだ。
まさにそのシリーズが、このホテルにあるとは・・・。
「ラッキーだった。今日は良いことあるかも」
ニコニコとお風呂の淵でかがんでいると、大きな腕が体を覆う。
不意に振り返ると、吸い込まれるような色っぽい姿に見惚れるも一瞬にして忘れてしまう。
今の状況を飲み込む瞳のせいで・・・。
「えッ、なんで?」
「なんでかな?」
「いやーそうではなくて、なんでクロロがいるの?」
「う~ん、そうだな、ルナ遅いから迎えにきた。
じゃ一緒にはいろうか?ルナバンザイ!!」
「えッ、あーバンザイ」
乗せられるようにバンザイをすれば、ネグリジェはとられ一身纏わない姿。
「キャー!!なんで、えっ待って!」
「待たない、逃げるな」
また、逃げようとしても腕を掴まれたらもうお終い。
「いや、無理だから。ダメだって」
「なんで、イルミとは一緒にお風呂入ってるだろう?」
「それは…そうなんだけど、もう離して‼︎」
「無理な相談だ」
彼の腕の中で暴れていると、軽く持ち上げられそのまま湯船に放り込まれた。
当然クロロも入ってきた。