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理由【ヒロアカ】

第3章 理由その3






「――もう大丈夫、私が来た!」
「!!」
はっと見下ろすと金髪の立派な体躯をした男性がこちらを見上げていた。
「オールマイト…!」
やっとまた会えた! 野次馬の歓声が嬌声にすら聞こえた。震えるのは嬉しいから。心臓が早鐘を打つのは会いたくてたまらなかったから!

「ヴィランは私に任せて皆さんは避難を!」
オールマイトが警察とヒーローに指示して野次馬を散らした。そして私のように一蹴りでレールの天辺に上る。さすがオールマイトだ。

…私達の二回目の逢瀬は風が強かった。
「――オールマイト」
「誰かと思ったらじゃないか」
「名前を呼んでくれるのね、嬉しい」
「キミが呼んで欲しいと言ったんだろ?」
まるで気安い友人のようなやりとりに心が躍る。

「今日は一体どうして遊園地なんか」
前回騙されたからか用心しているのだろう、辺りを伺いながら私に探りの言葉を入れた。
それに対して私はオールマイトのように高らかに笑ってみせる。
「オールマイトとデートしたかったから! 遊園地デートなんて素敵じゃない?」
「残念ながら、私は犯罪を犯してまで遊園地なんて来たくないね」
「そう?」
私は楽しいけど! とオールマイトに笑いかけたが彼は渋面をしたままだ。

「デートだから新しい衣装着て来ちゃった! もっとよく見てよオールマイト!」
気にせず私は前回とは違う衣装でくるくると回ってみせる。露出した肩は陽の光に反射するし、ミニの全円スカートは回るたび風に靡いて揺れた。
「こら! 若い娘さんがそんなに肌を出してはいけないよ!?」
「えー、そうかな? ほらこの肩のホクロとかセクシーじゃない?」
「見せなくてよろしい!」
慌てるオールマイトが面白いしそんな姿を初めて見るのでついからかってしまう。
そう、オールマイトの初めての姿! 何て心の躍る言葉なんだろう!?

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