第3章 蛇喰夢子という女
駄目、蛇喰さん……っ!
このままじゃ転校初日から家畜なんて事に……!!
「も〜っちろん♡何枚賭けるぅ?(バァ〜カッ!そっから先は泥沼だよぉ〜っ?)」
ドサドサッ……!
「……ッ⁈」
「即金で1000万」
夢子は鞄から札束を取り出すと、辺りにばら撒いた。
「なっ……、何で……っ。そんな現金、持ち歩いてっ……⁈ばっ、馬鹿な事言わないで!こんなお遊びのジャンケン1発に1000万円賭けるって……!あ、貴方……ッ!く……、狂ってる!!」
「……、"だから良いのではないですか"」
『(ゾクッ)……っ⁈///』
な、何……、今の……。
「……っ⁈」
「ギャンブルの本質は"狂気"でしょう……?資本主義の世の中では、金持ちも当然命を天賦に委ねるなど、正気の沙汰ではありません……ッ!……、にも関わらずカジノに人が集まるのは命を賭ける狂気に人は"快感"を覚えるからですッ……!!」
そう語る夢子の瞳は狂気に染まっていた。
「……、であれば、ギャンブルは狂っている程面白い……ッ!!さァ…………、ッ
"賭け狂いましょう"ッ……⁈」
『……、ふぁぁッ……!///』
「……ッ!」
それは"狂気"。
誰もが圧倒される程の"欲望の狂気"。
それはギャンブルに命を賭ける事を快感に愉しむ"狂気の全て"だった。
『……っ///』
身体が熱い……っ!
どうしてっ……⁈
蛇喰さんのあの狂気に充てられて私、私……ッ!
「……、おい、ミケ。アンタ何発情期の雌猫みたいな顔してんのよ……ッ!!(こんな状況でエロい顔してんじゃないわよっ!滅茶苦茶にしてやりたくなるじゃないッ!!///)」
『へっ……?///』
私、そんな顔してたのっ……⁈///
芽亜里は気持ちを切り替えると言葉を夢子に返した。
「ふんっ……、馬鹿らしいッ!付き合ってられないわッ!!」
「……、もしかして。怖気づいてしまわれましたか?」
「……っ!!くっ……!」