第3章 蛇喰夢子という女
そして、3回目のカードの投票が行われる。
『……、』
「んじゃ、いくよ?」
「「ジャンケン、ぽんっ!」」
3回目のカードは、
夢子がパーに芽亜里がグー。
今度はまた夢子の勝ちだ。
「おめでとう、蛇喰さんの勝ちね。次はどうする?」
「そうですね ──、」
すると夢子はまたもや50枚のチップを出してみせた。
「……!」
「もう一度、50万いきましょうか」
嘘でしょ……、
さっきので懲りていないの……⁈
「ふぅ〜ん……。面白い。好きよ、そういうの」
「……、」
「じゃ、いくよ?」
「「ジャンケン、ぽんっ!」」
4回目のカードは、
夢子、芽亜里、共にパー。
「気が合うわね。次……、いくよ?あいこで……、しょっ!」
『……っ』
次のカードは、
夢子がグー、芽亜里がパー。
この勝負は芽亜里の勝ちだ。
「やったぁっ……!また私の勝ちね!50万、頂きまぁ〜すっ♡」
夢子が賭けた50枚のチップは全て芽亜里に持っていかれる。
「……、」
「さぁ、次、次っ!どんどんいこっかぁ〜っ!……、んん?どうしたのかなぁ〜っ?もしかして、怖気づいちゃったぁ〜っ⁈まっ、100万も負けちゃ無理ないかぁ〜……っ!あはァっ!あはははァッ……!」
「いえ、勝負はこれからですよ?次は2枚賭けでお願いします」
「ぷくくっ……!」
終わった……、
チップは216枚と24枚、あまりにも差がある。
追い込まれたからってビビってたら、更に逆転は不可能だ……。
「じゃあ、続けるよぉ〜?♡ジャンケン、ぽんっ!」
5回目のカードは、
夢子がパー、芽亜里がチョキ。
またもや芽亜里の勝ちだ。
「あ〜らあら、蛇喰さん。チップ無くなっちゃったねぇ?」
勝負は決まった。
これでもう、早乙女芽亜里の勝ちは揺るがない。
「早乙女さん、もうワンゲームだけ続けてもよろしいですか?」
「はぁっ……⁈」
突然の夢子の変な申し出に思わず、芽亜里は気の抜けた声を出してしまった。