第3章 蛇喰夢子という女
「これがチップね。レートは1枚で1万円。取り敢えず、1人120万用意したわ!賭け枚数はワンセット毎に蛇喰さんが決めていいわ。物は試し、先ずはやってみましょ?……、何枚賭ける?」
「そうですね……。では……、"2枚"で」
こうして、早乙女芽亜里と蛇喰夢子による賭け勝負が始まってしまった。
このギャンブルでグー、チョキ、パー全ての選択肢がある事なんて稀だ……。
3枚しか引かないんだから、グー2枚でパー1枚みたいに偏る事の方が遥かに多い。
もし、自分の手札にグーが多ければ全体的にグーが多い可能性が高い。
って事は、相手もグーを出す可能性が高い事からこちらはパーを出す。
大体そんな、不確かな読み合いのギャンブルだ。
「決めた?合図で一緒に出してね」
芽亜里がそう言うと、2人は自分の出すカードを決める。
「「ジャンケン、ぽんっ!」」
最初に出したカードは、
夢子がグーで芽亜里がチョキ。
出だしは夢子の勝ちだ。
「……!先ずは蛇喰さんの1勝ね。おめでとう」
「ありがとうございます!2枚、頂きますね」
「要領はこれで分かったでしょ?どんどんいきましょ」
「えぇ、では次は……、50枚でお願いします」
「……っ!」
いきなり50枚って……、50万円でしょ⁈
そんなあっさり……。
蛇喰さん、何か完全に勝つ手でもあるのかな……、
「……、意外と勝負師なのね。蛇喰さん」
「いえいえ」
そして、2回目のカードが投票される。
1回のジャンケンで50万円が動く……!
「準備はいいかしら?」
「「ジャンケン、ぽんっ!」」
2回目のカードは、
夢子、芽亜里、2人共にグーだった。
「おっと、あいこかぁ〜……。もう1回いくよ?あいこで、しょっ!」
次に出したカードは、
夢子がチョキ、芽亜里がグー。
今度は芽亜里の勝ちだ。
「よっしゃ!私の勝ちねっ!」
「あら〜、どちらにしろ負けでしたね!」
夢子が芽亜里に見せた全てのカードが"チョキ"だった。
「ふふっ……!大きな勝負が取れて良かったわ。次は何枚賭ける?」
「では……、2枚で」