第3章 蛇喰夢子という女
「ギャンブル……、ですか?ポーカーとか麻雀とか、一通りルールは分かりますよ」
『そっか……。うちの学園、伝統的にギャンブルが流行っててね。放課後ともなれば至るところで鳥羽が立つんだ……。で、うちの生徒金持ちも多いから、賭け金が半端じゃない。近いうち誘われると思うから、その辺気をつ「ふふふふっ……」……?』
笑った……?何が面白かったんだろう……
「それはそれは……、とーっても楽しみですね……」
『は……?』
"楽しみ"って……、今の私の話を聞いて何で楽しみになるのかな……。
皆のカモにされるかもしれないのに。
蛇喰さんって不思議な人……。
「蛇喰さん、2年華組へようこそ!」
「何処から来たの?」
「ぶっちゃけ、彼氏とかいるのっ⁈」
謎の美少女転校生、蛇喰夢子はやはり、皆の注目の的だった。
「これからよろしくね!」
「えぇ、こちらこそ。よろしくお願い致します。……、?」
夢子が自分の隣に誰かがやって来たのに気づく。
「初めまして、私早乙女芽亜里!よろしくね」
「よろしくお願いします、早乙女さん」
「蛇喰さん、この後暇かな……?よかったら私とギャンブルしない?」
『……!』
私をどん底の地へと陥れた早乙女芽亜里。
そんな……っ、さっそく彼女の魔の手が蛇喰さんへと伸びてしまった……!
"何、何っ⁈芽亜里ちゃんが転校生とギャンブルするらしいよ!"
"えっ……⁈もしかして、アレやるのかな⁈"
芽亜里のお誘いを承諾した夢子の噂は瞬く間に広がっていった。