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ミケですか?いいえ、雌豚です。【賭ケグルイ】

第3章 蛇喰夢子という女



『そこまで分かってたんだ……』

「後は簡単です!鈴井さんの挙動から合図を推察しました……」


どうして後ろにいた私の挙動が分かるの……?

蛇喰が私の合図中に振り返った事はなかったし、蛇喰さんの後ろに目でもない限りそれは無理な筈……。


『私の挙動……?後ろにいたのに……?』

「えぇ……!何しろ手鏡は、"乙女の必需品"ですので!」


鏡……!そんな単純な事だったんだ……。

それならわざわざ後ろを振り返えらなくても私の合図を鏡を通して確認する事ができる。

でも、それならもう一つ疑問が残る。


『そっか……、もう一つだけ聞かせてくれないかな……。最後にチョキを引けたのは何で……?確率は、かなり低かった筈なのに……』


そう、あの時、蛇喰さんは早乙女さんが必ずパーを出してくる事まで読めていた。

でも、だからといって蛇喰さんが必ずチョキを引ける確率はかなり低い筈。

それを難なく引けたのは蛇喰さんにも必ずチョキを引ける秘策があったんじゃないか、そう思って最後にその秘策をどうしても知りたかった。


「あぁ……!それは全くの"偶然"です!ラッキーでしたねっ♡」

『う、嘘でしょっ……⁈120万を使ってやっとイカサマを解明したのにっ⁈それなのに、ただの偶然に1000万円も賭けたっていうの……?』

「うんっ……?えぇ、まぁ」


夢子は涼子が何故そんな事を言うのかと不思議な顔をしていた。


『イカサマを見破った事を黙っていれば、最悪でも五分の勝敗ができた筈だよ……。チョキさえ引ければほぼ必勝だったし、それでもあえて話したのは……、"リスクを負うのが楽しい"から……?』

「まぁ、そんな……!私だってただリスクを負うのはつまらないですよ?でも、"有利すぎてもつまらない"でしょ……?」


自分の人生を左右するまでの大金が懸かっているのに、楽しいの有無でリスクを負うなんて……。

私には到底できない。


『はぁ……、やっぱり貴方は特別だ……。そんな感覚、私には一生持てない。学園を辞めるよ……』


私は間違っていた。

この学園に入ってしまった事。

ギャンブルというものを甘く見ていた……。

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