第6章 少女の消失
「お前ら何立ってんだ。早く座れ」
「相澤先生!瞬木さんが居ないのですが!?」
「…あぁ、そういうことか」
挙手をした飯田が相澤に尋ねた。すると、相澤はそんなことかとでも言いたげに答えた
「な、んだぁー」
「驚かせんなよ先生!」
「だよな!やっぱまだ病院?それか風邪?」
「瞬木病弱そうだもんなー」
「何か妙に白いもんな!」
わいわいと騒ぎ出すクラスメイトに緑谷は安堵した。爆豪もフンッと鼻を鳴らした。表には出さないが気にはしていたらしい
「お前ら何か勘違いしていないか?」
「…え、病院か風邪じゃねーの?それか家族の事情とか?」
「悪いがどれも外れだ」
相澤の放った言葉で再び教室は凍りついた
そして、相澤にしては珍しく口元を隠している包帯を取り、静かに言い放った
「瞬木は雄英を辞めた。これからA組は20名で授業を行う。以上」
淡々と言い放った相澤は「飯田、着席」と号令を命じた。しかし、誰一人としてその場から動こうとはしなかった
「…………は……?」
「お前ら聞いてなかったのか?…瞬木は雄英を辞めた。もう戻ってこない」
いつも通りの日常になんか、戻れるはずがなかった