第5章 恋人(仮)作戦
『全員着替えた?』
「まあ、一応は…」
『じゃあ、後ろ向いて』
「「??」」
ほら早く。と言われスーツに身を包んだ3人は後ろを向いた。すると、部屋にはスルスルと彼女が着替える音だけが響く
「珍しいねリン、今日それなんだ」
『変?』
「いや綺麗だよ。後ろ閉めようか?」
『ん』
オイオイオイ!
と緑谷は心の中で突っ込んだ。そして隣の轟の様子を伺うと彼も珍しく顔に驚きを表している
緑谷たちには見るなと言っておきながらピーターはいいのか。やっぱり彼らは相棒兼恋人なのか…!?
「いい加減にしろや!!!イチャつくんなら他でや…れ……」
『早いよ。…まあ、着替えたからいいけど』
耐えきれなかったのか勢いよく爆豪は振り返った。そして声を萎めた爆豪を不思議に思い緑谷と轟も振り向いた
「それ、懐かしいな」
『…覚えてたんだ』
「あぁ」
『…』
轟が言ったそれとは、凛が来ている真っ白なドレスだった。緑谷には見覚えがないが轟と爆豪にはあるらしい
黙りこんだ凛は腕にブレスレットをつけた後、緑谷たちにイヤホンを渡した。どうやら、これで連絡をとれと言うことらしい
『今がちょうど6時、作戦実行は30分後。緑谷君と轟君は言った通りパーティー会場に、爆豪君は待機でピーターは私と…』
「ちょーっと待った!」
説明を制止しピーターは元気よく挙手をした。そして、座り込んでいたベッドで胡座をかきながら言った
「やっぱりボクが待機でいいかな?…リンとの恋人役はバクゴーってことで!」
『「…はぁ?」』
長い夜はまだ始まったばかりだ