第5章 恋人(仮)作戦
「やあ、3日ぶりだね!元気?」
「…アハハ」
緑谷たちは先日言われた集合先のホテルの一室にいた。そこは大人5人が入っても十分な広さだ
「本当にこの作戦で上手く行くのか?」
「あぁ大丈夫だよ!何たってリンが計画したんだから」
『…ピーター』
「?…あっ、」
しまった。と口を塞ぐピーターに轟と緑谷は顔をしかめた。
「どういうこと?この作戦って相澤先生の指示じゃないの?」
「…ってことになってるだけなのか」
「ンン!鋭いねキミたち!…まあ、そんなことどうだっていいじゃないか」
そう言いながらピーターは用意されていたスーツに身を包んだ。濁らされ納得のいかない緑谷たちも渋々用意されていたスーツを手に取る
「…かっちゃん着ないの?」
「あぁ?…何でこのクソ女と一緒に着替えなきゃならねえんだよ」
「え、あぁ」
どかっとソファーに座り込む爆豪に緑谷は同意した。緑谷たちは良いとして凛は女性だ。同じ部屋で男女が一緒に着替えるのは…
『…私がいたら着替えられないの?』
「え、いや。そういう訳じゃないけど…」
さあどうぞと言わんばかりに凛は言う。着替えられない訳ではないがモラルというものもある。「困ったなあ」と緑谷は頭をかいた
「あー!やっぱりダメだ。リン助けてー」
『…こっち来て』
いきなり叫んだピーターは手招きをする凛の元へ駆け寄った。そして、頭を凛の肩に乗せた
「…テメェらナニしてんだ」
『何って…見れば分かるでしょ、結んでるの』
「はぁぁ!?そんなんコイツ一人で出来るだろーが!」
「ちょっ、イタイ!」
爆豪は凛にネクタイを結んでもらっているピーターを彼女から引き剥がした。そして、そのまま投げ捨てるかのようにベットにピーターを放り投げた
『ピーターに乱暴しないで』
「あぁ?」
『…変わらないね、その横暴な態度』
「んだとテメェ…調子乗ってんじゃねーぞ」
「ちょっと!やめなよ二人とも!!」
着替えだけでこれとは……。
先はまだまだ思いやられるばかりだ