第4章 必然で突然
「……」
『轟君?』
警備マシンを倒しながら最上階を目指している轟、爆豪、切島、凛。轟は凛をじっと見つめていた
『なに?』
「…ドレスなんか持ってきてたのか」
『ううん、持ってきてなかったよ』
「借りたのか?」
『……貰ったの』
「貰った?…あぁ、さっきの糸の奴か」
「お前らさっきから何の話ししてんの!?」
かなりの数のマシンを倒しながら走り続けて体力を消耗しているハズなのに呑気に話す轟と凛に切島が言う
「俺も思ってたけど、やっぱあの糸誰かさんのお陰だったんだな!」
「あぁ、あれがねえと少しヤバかった」
あの糸が一瞬でもヴィランの動きを止めていなければ、轟はヴィランを倒せなかった。そして、それは爆豪も同じはず。
凛が女ヴィランの動きを止めていなければ爆豪は命すらなかったかもしれない
「俺さ、最初瞬木だって分からなかったわ」
『?』
「あっいや、変な意味じゃねえけど…」
切島は不思議そうに見つめてくる凛から顔を赤くして目を反らした。
切島の言う通り、今の凛は普段とは違った。ドレスは真っ白で、体にピッタリと張り付くタイプの物。袖もフリルなども一切なく、制服でもヒーロースーツでも露出が0に近い彼女の白い肌がありありと見えている。
そして何よりも、その白い肌に映えるように唇には真っ赤なルージュが施されている。まるで、マリリン・モンローのような、どこか色気のある大人の女性のようだ
A組女子は元々レベルが高いと言われがちだが、1番は凛かもしれないと切島は思った。まさかのダークホースだ
「それにしても…」
『…やっぱり変だよね』
「!?違う違うって!」
「…着痩せするタイプか」
「ちょ、轟!?」
ヒーローを目指しているが、やはり男子高校生なのだ。まるで峰田のようだが、自然と女の胸や太股に目がいってしまうのは仕方がない
切島は何の遠慮もなく凛をガン見しながら言った轟を凝視した。いや、さっきからやけに見てるなとは思っていたけど…!!
「お前らさっきからゴチャゴチャうるせえんだよ黙って走れや!!!」
爆豪の怒号がタワー内に響いた