第4章 必然で突然
会場に着くや否、ゲームにチャレンジするという轟の誘いを断り凛は観客席でジュースを飲んでいた
すると、チャレンジャーの中に明らかに見たことのある人物が二人。そう、爆豪と切島だ。どういう訳か二人も来ていたらしい
そして、続々と集まるA組の面々。挙げ句のはてには爆豪が轟、緑谷に喧嘩をふっかけている
これは…バレないようにこの場を離れよう。うん、それがいい。と1人静かに会場を後にしようとしたときだった
「いや、俺一人じゃねえ。瞬木も来てる」
ほら、と轟が此方を指差した。
「あれ?ほんまや!凛ちゃんやん!」
「なになに?アンタら二人で来たの?」
「いや、チケットは別だ。飛行機で会った」
「じゃあそこからずっと一緒なわけ?」
「何だか新鮮な組み合わせだね」
何故だかすごく面倒なことになってきた気がした。轟が「あぁ」「おう」と否定の言葉を言わないため、話はどんどん進んでいく
『轟君』
「…あぁ、移動してきたのか。何だ?」
個性を使い、彼らが集まっている会場まで行く。突然出てきた凛に何人かは驚きを隠せないでいた
『私そろそろ時間だから…』
「そうか、ここまでありがとうな」
『うん』
じゃあまた。ともう一度移動しようとしたときだった
「待てや。テメェ何処行くんだよ?」
『……別に』
「あぁ!?何だ別にって!!」
「ちょっと、かっちゃん!」
珍しく絡んできた爆豪に対し、凛は目をそらしながら答えた。
「けどそれもそっか。凛ちゃん誰に招待されて来たん?」
麗日の問いかけに凛が言おうか曖昧に口を紡いでいたときだった
「あっ、いたいた。リン!」
観客席の方から凛の名前を呼ぶ声が聞こえた