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The one that got away.

第4章 必然で突然





「お、そろそろ着くぞ」

『…そだね』


現在、凛は飛行機の中。隣にはクラスメイトの轟が座っていた。

何故二人が一緒にいるのかというと、事は約1時間前に遡る。










『すみません、隣いいですか…って、え?』

「!…瞬木?」

『…偶然だね』

「あぁ、そうだな」


飛行機の座席表を確認して座ろうとしたとき、席が窓際だった。だから手前に座っている人に道を開けてもらえるよう声をかけたのだが…隣が知り合いだなんて誰も思わないだろう

ましてや、同じクラスの轟君だなんて…

この飛行機は明日開催されるI・エキスポのためのI・アイランド行きの飛行機だ。余程の人脈でもない限り行くことは難しい


「お前も一人か?」

『うん。そういう轟君も?』

「あぁ…俺は親父の代理だ」

『…そっか』


親父、それはエンデヴァーを意味する。彼とエンデヴァーの折り合いの悪さはクラスメイトなら誰もが知っている。なので、これ以上は余計なことを口にしない方が賢明だ


「お前は?知り合いに関係者かヒーローでもいたのか?」

『あ、…うん。まあそんなとこ』

「?そうか」


彼が淡白な人で良かったと思った。詳しく聞かれては何かと話がややこしくなりそうなのだ。

凛自身も、何故自分が呼ばれたのか理解していない

チケットの差出人のトニー・スタークとは誰なのか。

どうして…凛の母のことを知っているのか










「…ならパーティーには参加するんだな」

『た、多分』

「多分って何だ?」

『あ、はは…』


飛行機を降りたころには轟と凛は少し打ち解けていた。体育祭以降腫れ物が取れたかのように雰囲気の和らいだ轟は、とても話しやすかった。

そして、以外にも深く相手に入り込まないという点で凛と気が合うことが判明した


「これからどうするんだ?」

『…どうしよう?』

「『……』」


待ち合わせまで、まだ大分時間があった。

凛はヴィラン・アタックというゲームが行われている会場まで足を運んだ


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