第1章 第二の人生
「私たちは政府の人間です。そしてこの世界の者ではありません」
理解が追いつかない。えっなにこの世界の者ではないって。
『なんで、私の事を知っているんですか?なんで、私はここにいるのでしょうか…!?』
「…そんなもんどーでもいーだろ。昔のことは忘れちまえばよかったのによー…くぁ…」
いや何コイツ…態度悪すぎるだろーが…!
「やめなさい。…はぁ。部下が失礼を。すみません」
いや何この人…礼儀正しすぎじゃないか…!
『あの、一つ聞きたいことがあるんですけど…』
「なんでしょう」
『私…死んだんですか……?』
「…そう、ですね。貴女の世界では仮死状態になっています。」
『じゃあここ天国ですか!?!?』
「ブッ!!!!」
態度の悪い政府さんが吹き出した。
なななな何かおかしいこといった!?
「なわけねーだろ。天国なんざねぇよ。寝ぼけてんのか?」
『でも、だって、〝私の世界では〟って…!』
「あぁ。貴女の世界とこちらの世界…その狭間にいます。」
いやもう無理。ギブ。何言ってるのこの人たち…!
「見せたほうがはやいでしょう」
ヴォン…
政府さんの手からブォンとスクリーンのようなものが飛び出した。
すると、手に硝子の破片を持ち、首を切ろうしている私が映し出された。
『……っ!』
これは、間違いなく私…。
「…貴方は、この世界で生きることを諦めたのですね」
「何とも苦しい死に方を選んだもんだなぁ、てめぇも」
そうだ、私は………。
「…さん。」
『なんで、私の名前、知って…!?』
「この世界に戻りたいと、思いますか?」
この辛い世界に、戻りたい…?
そんなの、そんなこと……!
『思うわけ、ないじゃないですか!!!』
「…だろーな」
「では、こちらの世界で人生をやり直してみませんか?」
人生を、やり直す…?