第1章 第二の人生
ふ…と目を開けると薄暗く
意識をハッキリとさせれば、腕と首に鎖がついている重みを感じる
少し身をよじらせると、背中にピリッとした痛みが走った
『……あぁ、痛い…』
そんな私の言葉は誰にも聞こえることもなく消えていった
コツ…コツ…コツ……
何処からか聞こえる、硬そうな靴の足音
(また…私は……)
……コツン…
私の部屋の前で足音は止まった
あぁ……また酷く、されるのか…
痛いのは…嫌だな……
ガチャ…ギィィ…
「おい」
あぁ…もう、疲れた……
ずっとこれが続くなら…もう…
『……死にたい…』
私の記憶はそこで途切れた
_________
ふ…と目を開けるとクリーム色の光
少し重みがあると思えば、柔らかな布団
『……え?』
ここは…どこなの…?
「気が付いたか?」
『!?』
後ろから声が聞こえ、バッと振り向いたそこには、真っ黒なスーツを見に纏い、少しキツく見える印象の男の人が立っていた。
…いや、怖すぎるんだが!?なんだこれ。
「……」
なんで黙ってんだこの人…!!
『ど…どちら様でしょうか…!』
「…あ?まず自分から名乗るっつーのが礼儀じゃねーのか?まぁいいけどよ。俺は政府の人間だ。」
『政府…?』
なんだって政府が私を!?
そもそも政府にこんな輩みたいなのがいていいの!?
え、本物の政府さん?嘘でしょ?どっからどーみてもヤクザじゃん…!
「……おいてめぇ今なんか失礼なこと考えてねーか?」
『ひっ…!!め、滅相もございませんんんん!!!!』
「やめなさい。怖がらせてどうするんです」
『!?』
お、同じような格好の人がでてきた…
この人なら、ここが何処なのか、なんで私がここにいるのか教えてくれるかな…
『あ、あの…』
「貴女は…今、自分のこと、そして自分に何が起こっていたのかを覚えていますか?」
……!!
思い出したくもない出来事や、痛みが頭の中で巡っている
『なんで…それを……』
「貴女は、最後の意識の中で何を思ったか、口にしたか、覚えいますか?」
私は、こんな世界で生きるくらいなら、死にたい。と…
でもどうしてそれをこの政府さんたちが知っているの…!