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【R18】さぁ、復讐を始めよう。

第1章 終わりと始まり


「ううん、なんでもないの!」


「先輩、何かありました?」


「え?何もないよ?どうして?」


「先輩が、辛そうな顔してるから。

何かあったんなら遠慮なく言ってください。

俺で良ければ話聞きますから」


頬に手を添え、泣きそうな顔の南くん。


「なんで南くんが泣きそうなのよ」


その表情が少し可愛くて、笑みが零れる。


「だって...先輩が辛そうだから。

先輩が辛いと俺も辛いんです!

...先輩のことが好きだから...」


「南くん...」


声が震えていて、本気で心配してくれているんだと分かる。


「すみません、結婚前の女性にこんなこと。

挙式は来月でしたね。

ちゃんと笑顔で祝いますから!」


「祝わなくて結構よ」


「な、なんで!?

俺が先輩のこと好きだから!?

好きだから、祝う権利ないのか...?」


グシャリと歪む南くんの顔。


我ながら、狡い言い方だったと思う。


思わせぶりな言葉を言って、心を掻き乱して。


本当、最低。


「挙式、なくなったの。

婚約も解消したわ」


「へ...?なんで...?

あんなに順調そうだったのに...」


ポカンと口を開けて驚く南くんの顔に、笑った。


「ちょ、俺は真剣なんですけど!?」


と、お叱りを受けた。


「ふふ、ごめんなさい。

南くんが可愛くてつい」


申し訳なさそうに笑うと、先輩が笑顔になってくれたなら良いんですけど...と口を尖らせた。


「理由聞いても良いですか?」


「私が言わなくても、いずれ分かることよ?」


「俺は先輩から聞きたいんです。

聞くことで先輩を傷つけるなら、聞きませんけど...」
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