第4章 幸せ
結婚の挨拶から、何ヶ月経っただろうか。
多分2ヶ月経った頃ぐらい。
私と晴人くんは、名字を重ねた。
「絶対幸せにするから、離れてっちゃダメだよ」
「離れないよ。
晴人くんも若くて綺麗な女の子のところに行ったら怒るからね?」
「俺は穂乃香さんにしか興味ないから。
もし不倫したら去勢しても良いし」
「去勢って、取っちゃうの?」
真剣に聞くと、大きく吹き出した晴人くん。
「ほんとに取っても良いぐらい、愛してるから」
「...ありがとう」
「あ、照れた。可愛い」
結婚式は、晴人くんの意向でヒメと同じ日取り。
招待したのは同じ部所の方と互いの親族のみ。
場所は互いの家との中間地点。
「ね、穂乃香さん」
晴人くんの甘えた声。
こんな時は決まって...。
「シたい...」
これだ。
「帰って、お風呂入ったらね?」
「...はーい」
式場からの帰り道、晴人くんの運転する車での会話。
家まで待ちきれなくて、信号待ちの車内でキスをした。
寿退社をしたヒメがどうなったか、詳しく知る者は居ない。
でも風の噂で、結婚後にずぼら癖がバレ、家事は互いに一切やらず。
その影響で義父母からの風当たりも強いらしい。
子供が出来るも、度重なる乱暴なセックスで流れてしまった。
そう、噂する人は少なくない。
実際に私が見た訳じゃないから、事実かどうかは分からないけど。
私は相変わらず、晴人くんと仲良く過ごしています。