第2章 確認と進展
「送ってくれてありがとう。
気をつけてね」
結局、お風呂でもう1回、更に出てから2回シてようやく解放された。
ホテルの前まで車で送ってくれたけど、帰路に着く足腰は悲鳴を上げている。
「うぅ...腰痛い...」
腰と下腹部に感じる違和感に眉を顰める。
1日でこんなにシたのなんて初めてだ。
「はぁ......でも、気持ち良かった...」
バフッと布団に身体を沈めると先程までの抱き合っていた様子が浮かぶ。
沢山シて、沢山イッて。
今日は疲れたな...。
瞼が重くなって徐々に下がって来る。
いけない、着替えないと...。
そう思っていたのに、身体は言うことを聞いてはくれなかった。
翌朝、電話の音で目が覚めた。
「ふぁい......」
相手の名前も確認せず、欠伸をした時のような声で出てしまった。
「眠そう」
電話越しにクスクスと笑う声がする。
「はると...眠いの...寝る」
そう言って通話を切ろうとした。
「良いの?寝て。
穂乃香さん遅刻しちゃうんじゃない?」
「へ......?えっ!?」
時計に目を向ければ、時刻は8時。
始業時間は8時半。
時間に驚いて慌てて飛び起きれば、笑われた。
「昨日から何度もメッセージ入れてるのに全然既読つかないから、もしかしてと思って電話したんだけど。
良かったみたいだね」
「本当にありがとう!
ごめんね、寝坊しました。
すぐ支度する」
「気をつけてね、穂乃香さん」
そう言って通話は切れた。
慌てて着替えて、化粧をして、ホテルを出たのは8時20分。
会社までは徒歩で10分弱。
走れば間に合うかな...?
ズキズキと鈍い痛みがする腰を引きずりながら、会社まで全力で走った。