第2章 確認と進展
「穂乃香さん、送りますよ」
先に目を逸らしたのは南くんの方。
「ありがとう」
助手席に乗り込み、ホテルまで運転して貰う。
その間、会話は一切ない。
「送ってくれてありがとう。
じゃあまた明日。
気をつけて帰ってね」
車から降りようとする穂乃香さんの腕を引き、強引に口付けた。
「んっ...」
「穂乃香さん......好きです...。
好き...」
キスの合間に囁かれる愛の言葉。
どうしてキスって、こんなに体温が上がるの...?
好きって言われると鼓動が高鳴るのはどうして?
「南くん......もっと、して...深いの」
触れるだけのキスじゃ物足りなく感じるのはなぜ?
「っ...もちろん」
キスは好き。
それは昔からだった。
でも昔よりも今の方がキスを好きになっている。
気持ち良いから?安心するから?
「南くん...確かめたいことがあるの...。
場所、移動しない?」
「え?」
「運転、代わるから助手席乗って」
運転席に座る為に身動きをすれば、下腹部に違和感。
期待して、濡れそぼっている。
「元気ね」
「っ、ちょっ!」
助手席に座った南くんの下半身が膨らんでいるのが見える。
それを指先で撫でると、焦った声が聞こえた。
車を走らせて、10分足らず。
「え?穂乃香さん...ここ......」
南くんが驚くのも無理はない。
だって。
「そう、ラブホテル。
行きましょう」
呆然としている南くんの手を取り、部屋を選んで行く。
値段は高めだけど大きいお風呂がある部屋を選択した。
「あ、あの...?」
流石の南くんも戸惑っているようだ。
でも、そんなの気にしない。
エレベーターから降りてすぐの、さっき選択した部屋へ入った。