第3章 メガネの向こうの目
山崎
「疲れてるところ本当申し訳ないんだけど、
あそこにある着物に至急着替えて、
そうだな...髪の毛もなるべく整えて
奥の間..客間に来客用のお茶を持って来て欲しいんだけど。」
(えっ...(゜〇゜;)今から!?
ね、眠たい...)
山崎
「本当ごめん!」
手をあわせて申し訳なさそうに私に謝ると、
医室から出て行ってしまった。
(今夜も夜勤なのになぁ..(T_T))
でもわがままを言える立場ではないので、
私は入り口の戸がしっかり閉まっているのを確認してから、
色が薄いベージュで、
淡い色で描かれている小花が“綺麗”な着物に着替えた。
(この着物...)
山崎さんが支度してくれたであろう姿見に、
着替え終わった自分を確認する。
そこには不安そうな自分が映っていた。