第1章 悪戯好きの黒猫
「くっそう…今のはヒドい!」
「負け犬シロの仇…我らが…!!」
「まけいぬいうな…」
あ、あっちも味方に後ろから刺されてる。
お互い辛いね。
「ウキーッ!チームのブレーン・柿助!!」
「…」
次のお猿さんの登場を見て、私は背後を振り返った。
「鬼灯様鬼灯様!!!私もあんな二つ名欲しいです!!」
「ハイハイ。気が向いたら今度付けてあげますから、さっさと片付けて下さい。その子は『柿助』さんというそうですよ」
残念。今度だって。
…ん?柿助ってどっかで聞いたことがあるよーな…
「あ。」
「な、なんだよ」
「柿助ってあれだ。700年くらい前にカニの親子から訴えられてる悪い猿の名前だ。あれってどうなってましたっけ?」
「正しくは600年前ですね。訴えが取り下げられた記録はありませんね」
バタッ
「過去の…過去の過ちは赦してくれぇ…」シクシク
よし、楽勝。
「てか謝りもせずに許してもらおうなんて都合よすぎるわ!!あんたの悪行は現世で絵本にもなってるよ!!」
「うわぁああぁぁぁあ~~」
泣いた。でも事実だし、私悪くない。
「か、柿助…おのれ!!ロケットランチャー・キジのルリオ!!」
「せいやっ」
ブンッ
ガツンッ
「あうっ」
ボトッ
「ルリオー!!?」
「こら柳川さん、下駄投げちゃ不味いでしょう。貴方の下駄、鉄でできてるんですから」
「あ、なんか特に思いつかなくて。ロケットランチャーっていうし、突っ込んでこられたら痛いかなと思ったらつい身体が…」
なんかすみません。