第4章 私室侵入大作戦!
「ほ、ほおずきさま…」
「なるほど、柳川さんは寝込みを襲うタイプですか」
「ちちちち違います違います!!!これはその…」
すんごい形相でひたひたと近づいてくる鬼灯様の手が、私の肩を掴んでベットに投げた。
「ひゃっ…!」
ギシッと軋むベット。
上向きの私の上に鬼灯様がのしかかる。
「あぁ違いましたか?では襲われに来たんですかね。徹夜明けは厳しいですが、男って身体が疲れると遺伝子を残そうっていう本能が強くなるらしいですからね」
「え。ちょっ」
ヤバい。特に目が。めっちゃ怒ってる。
人も殺せそうな顔してらっしゃる…!!!!
私は滝のような冷や汗をかいていた。
これは背中に感じる鬼灯様の布団のあたたかさのせいじゃない。
生命の危機を感じた体の警告だ!!!!
「男の部屋に忍び込むような淫らな柳川さんを満足させられるかはわかりませんが、ここは上司として男として部下に威厳をみせる必要がありますね…」
「……め…さ…ぃ」
「ん?よく聞こえませんでした。おねだりするならもっとハッキリ言ってもらわないと。ほら、どうされたいんですか?」
今誤魔化したら、死ぬ。
いやもう死んでるんだけど、そーゆー問題はおいといて殺される。
そう直感した私はそりゃーもう全力で叫んだ。
「ごめんなさいすみません申し訳ありませんでした調子にのりましたごめんなさい本当にごめんなさいもうしません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…よろしい」
すっと上から退いてくれた鬼灯様は扉を指さして低い声で言った。
「撮った写真置いて3秒で出て行って下さい。私は二度寝します」
「はい!!!」
「写真隠してたのがあとでわかったら、貴女ごと燃やしますからね。ゴ●ラの炎で」
「はいぃぃいいいい!!!!!」
カメラをひっつかみ、1枚だけ懐に収めていた写真を置いて私はダッシュで部屋を後にした。