第3章 好みの女性…?
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@金魚草畑
「ほ・お・ず・き・さ・ま~」
トンッと鬼灯様の左肩をたたく。
「…柳川さん、そんな声だしてどうしt」
プスッ(←振り返ると指がほっぺにささるアレ)
「……」
「えへ。成功v」
ブンッ
ガションッ
「げふっ」
金棒で殴られてぶっ飛んだ。めっちゃいたい。
「まったく貴女って人は…昼休みまで追っかけてきてなにしてんですか」
「鬼灯様とスキンシップを…」
「要りません。余所でやって下さい。私は今忙しいんです」
プイッと畑の方を向いて水やりを続ける鬼灯様。
…かまってくれないと寂しい。
「ごめんなさい。邪魔しないから見てていいですか?」
「…大人しくしてるなら。どうぞ」
はーいと返事をして階段に腰掛ける。
いつみても不思議な金魚…でもこーゆー動きって飽きなくて好き。
私、宙ら海水族館とか行ったら余裕で一日中大水槽の前で魚眺めて過ごせるもん。
「鬼灯様鬼灯様」
「なんですか」
「これって名前あるんですか?」
「一匹ずつはないですよ。全部まとめて『金魚』ですね」
「かなりざっくりですね」
鬼灯様って仕事は超几帳面なのにそーゆーとこあるよね。
「まぁ呼ぶこともあまりないですし…いざとなったら食べますしね」
「え。これ食用でしたっけ!?」
「臭みがなくて、刺身でも美味しいですよ。食べます?」
鬼灯様の手料理!食べたい!!!
でもいいの!?今思い出したけど、私動物好きアピールしにきたんだった!!!