第3章 好みの女性…?
「はー…もしかして私、嫌われてるのかなぁ」
何百年前からもしやとは思ってたけど、やはり私は鬼灯様のタイプではないのだろうか。
「やっぱもっと大人っぽいほうがいいのかなー…中身も外見も。どう思います?お香さん。やっぱり男の人ってお香さんみたくボンキュッで優しい人のほうがいいんでしょうか!?」
カンッとお皿に箸をつき立ててみる。
「こらお行儀悪い。それにボンキュッって…私そんなんじゃないわよ。まぁ、外見はその人の好みなんじゃないかしら?」
「くそう、この余裕…この大人の余裕が足りないのか私には…」
八つ当たりちっくにぐすぐす愚痴ってみたらお香さんがあ、っと声をあげた。
「そういえばこの前、鬼灯様の女性のタイプ聞いたわよ。噂だけど」
ガタンッ
「ま、マジですか!!」←立ちあがった
「こらこら。静かにしないと教えてあげないわよ」
すみませんでした。
大人しく腰をおろして、ずずっとお茶を一口。
…うーん。食堂のお茶薄いんだよな。
「落ち着いた?」
「はい。それでそれで?鬼灯様のタイプってどんなんですか!?」
今までそんな話聞いたことないよ!激レア情報だよ!!
「うーん、茄子くんから聞いた話だけどね」
「茄子くんかぁ…」
ソースとしては信用性に欠ける気もするけど、このさいまぁいいや。
「えと、『虫や動物に臆さない人』がいいらしいわ。あと、その時テレビに出てたミステリーハンターのお姉さんは『割と可愛い』って褒めてたって」
「むしやどうぶつにおくさないひと…」
「『明るい女性も好き』って言ってたらしいわ」
「あかるいじょせい…」
なるほどなるほど。
「…お香さん、私明るいですか?」
「え、ええ。明るくて可愛いと思うわ。(あれだけ痛みつけられても懲りずに向かっていく感じとかもすっごい前向きじゃないとできないと思う…)」
「…よし」
再び箸を持ち、全力でお刺身定食に向き合う。
そして全力でかきこむ。
「……ふぅ、ごちそうさまでした!お香さん、私用事思い出したので先にいきますね!!」
「え、何しにいくの?」
「鬼灯様に『虫も動物も大好きだよ』アピールしてきます!!!」
え…というお香さんの声を背中で聞きながら、私はすでに掛け出していた。
お昼休みはたぶん金魚草のところにいる筈…!!!