第2章 鬼灯様の有給休暇。
「まったく…とりあえず運んであげますから、天国に行きましょう。犯人に直してもらうのが一番手っ取り早いです」
了解です、と返事をしようとした瞬間…
ボンッ
私の体が爆発した。
「こほっ、こほっ…何これ…びっくりしt」
あれ、喋れてるじゃん私!!!
「見てみて鬼灯様!私直ってますー?っていないじゃん」
「なにすっとぼけてるんですか。どいてください、捌きますよ。あと自分の格好よく見なさい」
ふんづけてた。すみません。
でも自分の格好…?
「…じぶんの、かっこう…」
「…」
「…」
アレだ、何も着てない。
いわゆるハダカ。すっぽんぽん。
「き、きゃああああぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
胸を手で隠してずざあぁあぁっと廊下の端へうずくまる。
え、なになになになになに何で服着てないの私!!?
「…ッ……ッ////」
恥ずかしさやら白澤サマへの怒りやらなんやらでフリーズする私。
マジ、次会ったら殺す。神獣だろうが殺す!!!!!
沸騰した頭でぶつぶつ現実逃避をしていると。
ふわっ
「…1回着たものですが」
肩にかけられたのはちょっと大きめの服。
現世の…パーカー?
「ほおずきさまのにおいがする…」
「嫌なら脱ぎなさい。そのままでいいなら止めませんよ」
「い、いえ!いいえ!!お借りします!ありがとうございます!!」
これでもいろいろアウトだけど、すっぽんぽんよりは凄いマシ。
鬼灯様がいなかったらどうなっていたことか…。
「鬼灯様、帰ってきてくれてありがとうございます…!」
「はいはい。まったく…明日からすぐに仕事だから早めの便で戻ってきたのに、とんだ骨折りです」
「えへへ…ごめんなさい」