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黒猫の悪戯

第2章 鬼灯様の有給休暇。



目の前に立ちはだかる過酷なサバイバル(大げさ)な状態に、溢れる涙をそのままに走っていると…


ボフッ


「に、にゃあ…」イタイ


なんかにぶつかった。
涙でぼやける視界をぱちぱちさせて整えてから、ぶつかったものを見る。


「…猫、ですね」

「!!!!」ホオズキサマ!


大きな荷物を持った鬼灯様だった。

え、あれ?オーストラリア…
いや。ちょっと待て。
3泊4日の4日目ってことは帰ってくるの今日じゃん!!(←今気付いた)

突進した私をじぃっと見つめる鬼灯様。
うわー、なんか照れる///
何百年も鬼灯様見てるけど、こんな表情向けられたことない!


「(猫もいいかも!!)」


そんなことを思っていると、すっと手が伸びてきた。


「…ちっちっち」


表情は相変わらず無愛想だけど、こころなしかうずうずしてる。
よし。ここは現状に甘えて、素直に撫でられにいこう。

動物好きの鬼灯様ならきっと乱暴にしないだろうし…
いや、むしろ鬼灯様になら多少乱暴にされてもいい!!


「にゃあ」ナデテーナデテー

「…人懐っこいですね。飼い猫ですか?」


いえ、今現在フリーなので、鬼灯様に飼われたいです。


「にゃーん」ゴロゴロシテー

「顎の下が気持ちいいんですか?」


うん、そこそこー。
ごろごろ。

鬼灯様の骨っぽい手に撫でられてると思うと色っぽい気もするけど、今は猫だからかまったくそんな感じがしない。
ただただ包まれているやわらかな幸せ気分でいっぱいだった。

あ、いつの間にか持ち上げられてる。
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