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黒猫の悪戯

第2章 鬼灯様の有給休暇。


よーわからんが、これはヤバい。大ピンチ。
どうにか脱出をしなければ…


「ほら、怖くないよ~。猫じゃらしあるよ~。あーんなことやこーんなことして遊んであげるよ~」


じりじりと部屋の隅へ追いやられる私。
白澤サマの手でゆらゆら揺れるねこじゃらしがめっちゃ気になるけど、飛びつく訳にはいかない。

くそう。何されるかわかったもんじゃない。
まずはどうにか脱出せねば…
そう思いながら目の前の人物をにらみつけていたら、チャンスが訪れた。

ガラッ


「白澤様ー。無花果収穫してきましたよ」

「にゃっ!」チャンス!


桃太郎さんの登場で一瞬逸れた白澤サマの視線。
それを見のがさす私は…


ガブッ


「痛ッ!!」

「え、猫!?大丈夫ですか!?」


噛みついてみた。わりと本気で。
よし、今だ逃げよう。

少しあいた扉の隙間からダッシュで逃走した。


「あ、ヤバ」

「あーあー血がでてますよ…猫に噛みつかれるって何したんですか」

「アレ猫じゃないよ。椿ちゃん」

「………は?」

「嘘じゃないよ。ほら、そこに彼女の服落ちてるでしょ。猫になった時、サイズ違いすぎて脱げた」

「なにやってるんですか」


こんな会話がされていたことを、私は知らない。


「(と、とりあえず地獄に戻ろう…!期待薄だけど、閻魔大王様なんとかしてくれないかな?)」


全力で閻魔庁に向けて走っていた。


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