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黒猫の悪戯

第1章 悪戯好きの黒猫


***


「あー…今日はなんか疲れた…」


ようやく戻ってきた自席でつぶれる私。
あれから鬼灯様のナイス機転と口説き文句で、桃太郎&そのお供の3動物達はめでたく働き口を見つけたのだった。

そこで終わればいいのだが、お役所はそんな口約束では終われない。
申請書類が山ほど必要なのだ。

勿論そのへんは庶務である私の仕事。
もともと残したまま唐瓜くんの道案内に行ったせいもあり、午後10時を回った今でも私は机にかじりついて仕事中。

ぐう。


「おなかすいたなー…食堂もしまっちゃったし。」


どうしようもないから早く終わらせる以外に方法はない。
うん、朝必要なやつだけなら日付変わる前には(たぶん)帰れる(筈)!!

ぐすぐす言いながらも全力でペンを走らせていると、部屋のドアが開いた。


「…まだ残っていたんですか、柳川さん」

「あ、鬼灯様!」


おおう、鬼灯様を見れるHPがちょっと回復するね。
あぁ、時折覗く鎖骨がせくしーすぎる…


「…仕事終わらないんですか?」

「あ、ハイ。昼間遊んじゃったのでまだいろいろと…」

「あとどれくらいかかりそうなんですか?」

「え、あの、その…とりあえず日付変わるまでは頑張ろうかと…」


私がそういうと、鬼灯様はため息をついた。


「まったく…そんなんだから…」

「え?」

「いえ、なんでもないです。それより…これ、プレゼントです」

「え!!??///」


嘘何鬼灯様が優しい!??
マジで!?ついに私の想いが通じる時が…!!


「……ッッ」パクパク

「何金魚みたいなことしてるんですか」


いつも通り不機嫌そうな顔をした鬼灯様に渡されたのは、ちりんっと可愛い音を立てる小さな鈴がついた帯止めだった。


「え…え?なんで…いいんですか!!?」←めっちゃ嬉しそう

「嫌ならあげませんよ。一応、さっきの騒ぎで手間をとらせてしまったお詫びです」

「めっそうもない!!欲しいです!凄く欲しいです!!ありがとうございます!!!」


受け取った帯止めをマジマジと見つめる。
うわーうわー、よくわかんないけどすごい嬉しい…


「大事にします!」

「そうですね、折角あげたんですから、毎日付けてくれると嬉しいです」

「勿論毎日付けさせていただきますです!!!」


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