第4章 初めまして
『「「個性把握…テストォォォォ!?」」』
だだっ広いグラウンドに響くのは私達の驚きの声。
たった今グラウンドに着くなり相澤先生に言い渡された個性把握テスト…
隣にいる紬も声は出さないもののあんぐりと口を開けて驚いている。
紬「ハハハ…流石”自由”が売りの雄英…」
?「入学式は⁉︎ガイダンスは⁉︎」
おそらく皆んなが思っている事を勇気を出して(?)聞いたのは朝緑谷くんに話しかけていたかわいい女の子だ。
(後で全員の名前聞いとかないとなぁ…迷った上にこけた所為で出遅れちゃったし…)
相澤「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ、」
(確かに…事件起きてるのにイベント出てたから行けませんでした〜とか大バッシングくらうよね…)
相澤「雄英は”自由”な校風が売り文句、そしてそれは”先生側”もまた然り。」
みんなの頭には戸惑いの”?”マークが浮かんでいる。
そんな私達を尻目に相澤先生はさらに話を続ける。
相澤「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈…中学の頃からやってるだろ?”個性”禁止の体力テスト」
(へー、そんなものやってるんだ〜…まぁ、皆んながみんな個性使ったら先生たち処理大変そうだしね)
相澤「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ。」
(相澤先生、キッパリ言ったな、うん、)
相澤「爆豪、」
相澤先生が呼んだのは朝机に足をかけていた怖い人、
(爆豪っていうのか…うん、なんか凄い似合ってる名前だ…)
相澤「中学の時、ソフトボール投げ何mだった。」
爆豪「67m」
(67?凄いのか?基準がわからない…)
思っている事が顔に出たのか隣にいる紬が話しかけてきた。
紬「67mは凄い方だと思いますよ。基礎運動能力が高いんでしょうね。」
相澤「じゃあ個性を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい。早よ、」
相澤先生は気だるそうにボールを爆豪くんに投げ渡した。
相澤「思いっ切りな、」
爆豪「んじゃまぁ…」