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審神者が死んだ日

第8章 加州清光





無事遠征の役目を果たし帰還すれば、本丸はいやに静まり返っていた。



大和守「どうしたんだろ?出迎えも無いなんて珍し…」


加州「…っ!!」


大和守「ちょ、清光どこ行くのさ!?」



本丸内の雰囲気に嫌な胸騒ぎを覚え、加州は審神者部屋へと向かった。
其処に彼女の姿は無かった。



加州「ぇ…何で?主…そうだよ、主どこ行ったの!?」



騒ぎ立てる様に加州が言うと、加州の帰還を待っていた長曽祢が壁に背を預け立ったまま声を掛けた。



長曽祢「主は死んだ」



その言葉にびくっと大きく肩を跳ねさせる加州、その様子を見ても尚、長曽祢は続けた。



長曽祢「付いて来い…」



絶望、そして信じられないといった表情の加州に一言だけ告げては歩き出す。
ふらふらとした足取りだが、加州は長曽祢の後を付いて行った。

連れられてやって来たのは離れにある陽当たりの良い小部屋。



長曽祢「主が…お前が遠征に行った後、此処に来たいと言ったらしい。薬研が言っていた…苦しまず眠る様な最期だったらしい」



横たわる審神者の顔には真っ白な布が一枚、枕元には膳が用意してあった。
加州はふらふらと歩み寄り、ぺたんと彼女の隣に崩れ落ちる様に座り込んだ。

その姿を見ると長曽祢は一度瞼を閉じ、再び瞼を開くと部屋から出て行った。



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