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審神者が死んだ日

第8章 加州清光





加州清光はふと目を覚ました、額には汗が滲んでいた。
悪夢では決して無い筈なのに、天井に向かって突き上げ伸ばされた自らの右手を見ては溜め息を吐く。


加州「はあ…なんであんな夢……」



隣を見れば寝息を立てる年老いた審神者が横たわっている。その顔はしわくちゃだけれど、加州が胸焦がす愛しき存在その人だ。
加州は手を伸ばし、人差し指の背で彼女の頬を撫でる。優しく、慈しむ様に。
目を細め微笑み掛けると、不意に審神者部屋に誰かが訪れた。



大和守「清光、遠征だってさ。清光が寝てる間に主起きて…」


加州「え…主起きたの!?何で起こしてくれなかったんだよ、安定の馬鹿!!」


大和守「はあ!?こんな昼間から寝てる方が悪いんだろ!とにかく、遠征行くよ!」


加州「…………ん」



行きたくない、傍に居たい。ずっとずっと傍に居るって約束したんだ、俺は近侍で主は俺の大事な…。
けれど、断る事なんて出来ない。俺は刀だから、俺は人ではないから…と、加州の胸は張り裂けそうなのに頭はいやに冷静で残酷な答えを導き出す。



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