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審神者が死んだ日

第4章 薬研藤四郎





静かな空間に、薬研の声と本当に微かな彼女の呼吸だけが響く。



薬研「なあ大将、治ったら何が食いたいとかちゃんと考えてるか?」



一度唇を噛んで、泣き出してしまいそうな自分を自制する。
眉を下げた寂しげな笑みを彼女に向け、そっと髪を撫でる。

すると、うっすらだが彼女は目を開けた。



主「や…げん…」


薬研「おう、大将…おはようさん」



薬研はいつもと変わらぬ笑みを向けて声を掛ける。
すると彼女は手を伸ばし、薬研の頬に触れた。



主「私、何も…要らないよ…薬研が居る…なら…何も…」



彼女が再び口を開いた瞬間、薬研は目を見開いた。そして目頭が熱くなり鼻の奥がツンと痛む、涙が溢れそうになるのを唇を噛んで堪えた。

再び瞼を閉じ、言葉を発さなくなってしまった彼女の手は力無く崩れ落ちる。
崩れ落ち掛けた手を両手で掴み、薬研は自らの額に彼女の手を押し付けた。



薬研「俺が…必ず俺が助けてやるから…!」



ギリッと歯を軋ませ、誓う様に呟く。



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