第2章 透鏡越しに 揺蕩う熱※
さっそく背負ったライフルを掴み、前方へスライドして構えてみれば、狭い空間でも問題なく扱えそうだった。
しかし、肝心な弾丸に手を向けることができない体勢なので、サボの手を借りるしかない。
「あぁ、どこにあるって?」
「太腿の外側に……ってわッ…!?!?」
突然、サボは片腕を私の腰に回してぐっと抱き寄せると、もう一方の手を下半身へ伸ばす。
身体が一層密着した上に、服の上からとはいえ、腰から太腿にかけてのラインを撫でられて、びくりと反応してしまった。
「xxxxが乗ってて見えねェから手探りするしか…外側ってどっち?」
「ちょっとどこ触っ、て……ッ!」
「…xxxxのからだ、柔らかくて気持ちいい」
するりと這わせた手は太腿の内側を掴み、奥へと潜り込んでくる。
サボにこんなことされては、堪らず上擦った声をあげてしまう。
「サボっ…まじめ、に……っん……」
「どうした、xxxx。いい声出して」
耳元で囁かれたサボの声は、悪戯する子供のそれと同じだ。
触られる度に身体は熱くなり、呼吸は乱れ、サボの肩を掴む手には力が入ってしまう。
不可抗力に近い反応を示す私の様子に、サボはだんだん焦り始めた。
「やばい、xxxxが可愛すぎて本気で我慢できなくなりそう…」
「もっ…いい加減に…!」
「わ、悪かったって!」
凄味を聞かせると、サボは堪忍しておとなしく弾丸の入ったポーチを手渡した。
弾丸を手にするのにこんなに苦労したのは初めてだ。
落ち着いて弾を確認し、充填する。
スコープを覗くと、暗がりに射す微かな光が砂埃をきらきらと浮かび上がらせていた。
いくつかあるうちの瓦礫の隙間から、弾丸が抜けられる大きさの穴に狙いを定め、地形や方角を計算する。
「ここから出たら、覚えてなさい」
「ごめんなさい…」
この間、サボは懲りたのか、終始おとなしくしていた。
照準器を覗いているためサボは見えないが、きっと、怒られた子供のような顔をしているのだろう。
ため息とも深呼吸とも区別のつかない呼吸をひとつ落として、息を止めて、私はトリガを引いた。
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