第1章 捧げよう **赤司征十郎
「征ちゃん。」
「なんだい?」
「…近い。」
「恋人同士が接近したら悪い、なんてことは無いだろう?」
有無を言わせないような目で見つめられ、こくりと頷くことしか出来ない。
そんなは耳まで赤くなっており、赤司は今すぐにでも押し倒してしまいたい気持ちに襲われるが、それをぐっと抑える。
彼女を下手に傷つけ、嫌われてしまったら…
自分の情けなさに苦笑しながらも、キスくらいはいいだろうと思いの顎を持ちこちらに向ける。
ちゅっーーー
軽く触れるだけのキス。
何時もであればここで止めるはずだが、今日は何故か抑制が効かない。
少し開かれた彼女の口に自らの舌を潜らせる。